top of page

大切な人へ

懐かしい場所を訪ねた
変わってしまった街並み
茶畑に続くじゃり道
今はアスファルトの道

昔と変わらないものもある
小さい頃いつもまたがってた
灰色のブロック塀
そこだけ時が置いてけぼり

景色が滲んでいく
あの角のパン屋まで
小さな自分が走る
何を思っていたのだろう

会いたいのに会えなくて
素直な気持ちを伝えられたら
心の壁を乗り越えられずに
時間だけが流れる

今度会うときは死んじゃった時かな
ずっと後悔するのだろう
灰色のブロック塀のように
自分だけが置いてけぼり


線路に出て怒られた
抜け道の竹林も無い
二階建てのアパートも
今はお洒落な五階建て

ドアを開けるとチリンと鳴る
鈴の音と茶色のカウンター
喫茶店は昔のままだけど
チャーハンはメニューに無い

景色が滲んでいく
線路を渡ると坂道
小さな自分が走る
大きな坂だと思ってた

会いたいのに会えなくて
できることはこんなことくらい
目の前が滲んでくるから
ハンドルをギュッと握る

今度会う時は死んじゃった時かな
ずっと泣き続けるのだろう
灰色のブロック塀のように
自分だけが置いてけぼり

景色が滲んでいく
誤解からのすれ違い
今からでも埋められるだろうか
時間は巻き戻せないけど

会いたいのに会えなくて
素直な気持ちを伝えられたら
心の壁を乗り越えられずに
時間だけが流れる

小さな自分が私に言うの
素直な気持ちを伝えたらいい
今度、勇気を出して言おう
会いたい
会いに行きます

bottom of page